Discord(ディスコード)は、ゲーマー向けチャットツールとして誕生し、ビジネスチャットツールとして使われる機会も増えてきました。
その機能の優秀さから「Skypeの上位互換」といわれるほどです。
筆者自身、オンラインサロンの主宰者としてさまざまなチャットツールの中からDiscordを選択しました。
そこで2年以上Discordを使用した経験もふまえながら、Discordの特徴や評判・口コミ、メリット・デメリットを解説します。
なお本記事では、Discordのビジネスチャットツールとしての有用さという点にしぼって解説しました。
Discord(ディスコード)の特徴
Discordの特徴を紹介します。
マイクロソフトが欲しがった成長性
Discordは2015年にアメリカで誕生し、2020年には月間ユーザー数が約1億4000万人にのぼる急成長を遂げました。
30言語に対応し、海外製品にありがちな変な翻訳ということもなく、日本語対応もバッチリです。
Discordは低遅延のボイス・テキストチャットツールを目指して開発されました。
そのため、リアルタイム性が重要なゲーマーの間で爆発的に普及していったのです。
実は普及当初「Skype、TeamSpeakの時代は終わりを告げた…!」と挑発的なメッセージを出していました。
しかし、そのあまりもの急成長ぶりに、Skypeを提供するマイクロソフトが、DiscordとXbox Liveアカウントを連携可能にしたり、買収を持ちかけるほどに。
最終的にDiscordは自分たちのDNAを守るために、マイクロソフトとの交渉を打ち切り、ソニーとの業務提携の道を選びました(2021年5月)。
アプリのDLや電話番号不要で手軽に使える
Discordの特徴に、登録やアプリのダウンロード不要で、通話やチャットに参加できる手軽さがあります。
PC版であれば、ニックネームの入力だけでブラウザから通話等ができます。
ビジネスチャットツールとして使えるかを簡単にお試しできるので、情報収集したり考えあぐねたりといったムダがありません。
アプリ版(PC版・スマホ版)を使う場合は、アカウント登録の必要がありますが、メールアドレス一つで可能です。
Discordのメリット
Discordのメリットは正直、あげればキリがないほどです。
ここではビジネスチャットツールとしての有能さという点で厳選しました。
ビジネスチャットツールと必要な機能がすべて無料
Discordは基本、すべて無料で使えます。
テキストチャット・音声通話・ビデオ通話・画面共有といったビジネスチャットツールとして必要な機能は、全部無料です。
ビデオ通話や画面共有など一部機能は、スマホ版での使用不可、人数制限などがあります。
テレワークの設備やシステムがまだ確立していない導入期や、社内のメインシステムを使うほどでもないちょっとしたやりとりなどでも気軽に使えます。
なお、Discordには無料版の他に「Discord NITRO CLASSIC」「Discord NITRO」という2つの有料版があります。
プラン | 月額 | 年額 | 増える機能(一部抜粋) |
---|---|---|---|
フリープラン | 無料 | 無料 | |
Discord NITRO CLASSIC | 4.99ドル | 49.99ドル | ユーザー名のタグが変えられる 動く絵文字、アバター画像が使える 画面共有が高解像度になる 共有できるファイスのサイズが大きくなる 大きなファイルを共有できる |
Discord NITRO | 9.99ドル | 99.99ドル | カスタム絵文字やアニメ絵文字の作成や収集ができる サーバーブーストが2個もらえる 30%割引で追加サーバーブーストを購入できる HD動画を送ったり、画面共有ができる |
広告表示なし&プライバシーが守られる
Discordは無料のツールでありながら、なんと広告表示がありません。
わずらわしい広告が表示されないというだけでなく、ビジネスチャットツールとしての適性が高いといえます。
Discordは「DISCORDの原則」でプライバシーを守ることを約束しています。
Discord内でのやりとりや内容を監視したり、データを売ったり、第三者に提供したりしないと明記されており、この点もビジネスチャットツールとして安心材料です。
遅延少&音質・ノイズキャンセリング良でストレスが少ない
Discordはオンラインゲーム中のチャットをスムーズにするために、低遅延のツールを目指して開発されました。
そのため、遅延の少なさと通話機能「ボイスチャンネル」での音質のよさには定評があります。
2017年にサーバーリージョンで日本を選択できるようになって、さらに遅延が少なくなりました。
また「Krisp(クリスプ)」と呼ばれるノイズキャンセリング機能が有能で、キーボードを叩く音や生活音などを非常に高い感度でカットしてくれるのです。
オフィスやカフェなど雑音が入りやすい環境でのオンラインミーティング、家族もいる状況での在宅ワークなどで、とても重宝します。
さらに便利なのが、参加者ごとにマイクやスピーカーの音量を調節やミュートできる機能です。
たとえば、Aさんの声だけが小さくて聞き取りにくいみたいなシーンでは、Aさんの声のみ大きくすることができます。
Bさんから聞こえる雑音がうるさくてAさんの発言が聞き取れないなら、一時的にBさんをミュートにすることも可能です。
オンラインミーティングでは音の環境がストレスに直結するので、Discordはその点のストレスが少ないといえます。
ビデオ通話や画面共有ができる
Discordでは、ビデオ通話「Server Video」や画面共有「Go Live スクリーンシェア」も簡単にできます。
2020年4月13日のアップデートで、サーバー(いわゆるグループ)のメンバー間であれば、最大10人まで参加できるようになりました。
ただし、スマホ版では1対1でしかできません。
複数人でのビデオ通話や画面共有は、パソコンで行ってください。
複数のチャンネルを作れるので重要連絡を見逃しにくい
Discordは、チャットグループのことを「サーバー」と呼びます。
そしてそのサーバー内では、複数のチャンネル(いわゆるスレッド)を作れます。
たとえば「イベント出展プロジェクト」メンバーでサーバーを作ったとしましょう。
すると、下記のように目的ごとにチャンネルを作成すれば重要なメッセージを見逃すリスクが減ります。
チャンネル名 | 利用目的 |
---|---|
メインチャンネル | メンバー全体へのアナウンス等メインで利用 |
会場設営 | 会場設営や準備に関する情報のやり取り |
広報・宣伝 | 広報・宣伝に関する情報のやり取り |
スケジュール | ミーティングや各タスクの締め切りなどスケジュールの共有 |
雑談 | 息抜きやちょっとしたアイデア出し用 |
Discordのデメリット
Discordは、ビジネスチャットツールとして機能面でのデメリットは少ないです。
その中でも、人によっては評価が分かれる点をデメリットとしてピックアップしました。
既読機能がない
Discordには既読機能がないので、相手が読んでくれたかわかりません。
ただし、他の有名なチャットツールであるSlack・チャットワークも既読機能がないので、問題ないケースも多いです。
また、既読機能があることで返信がプレッシャーになる人にとっては、既読機能がない方が良いケースもあるでしょう。
返信するほどでもないけど「ちゃんと読んだよ!」ということを伝えたい場合は、メッセージに顔文字で答えられるようになっているので、そちらを利用すればOKです。
文章や画像の一括検索機能がない
Skypeやチャットワークなどのツールと比べてDiscordのデメリットとなるのが、文章や画像の一括検索機能がないことです。
「●●についてやりとりしたのはどのサーバーだっけ?」といった場合、Discordではサーバーごとにキーワードを入力して検索しなければなりません。
画像も同様に一覧で確認できないため、長期間に渡ってDiscordを使っていたり、多くのサーバーに参加していたりすると、過去のやりとりから情報を見つけるのが大変です。
カラーや世界観がビジネスツールとして賛否両論
Discordの特徴ともいえる、ダークなカラーやゲーマーの世界観は、ビジネスツールとして賛否両論があります。
事実、筆者のオンラインサロンでは参加者から「Discordのデザインが暗くて見る気にならない」という意見があがりました。
最終的には好みの問題ではありますが、ビジネスシーンで使いにくいと考える人もいます。
デバイスによっては設定等で変えられるようですが、せめて背景のカラーは自由に選べるようになると、ビジネスチャットツールとしてももっと使いやすくなるかもしれません。
Discordの評判・口コミ
当サイトで独自に集計したアンケートから、良い口コミ・悪い口コミを紹介します。
導入時の参考にしてください。
良い口コミ
男性 / 30代前半(千葉県)
ゲーム内のコミュニティやギルドのコミュニケーションツールです。連携が必要なゲームたが、チャット機能が使いにくい、海外の方とのやりとりがある場合、特におすすめです。自動翻訳機能が充実し、とても使いやすいです。
男性 / 20代後半(大阪府)
後からグループに入ってもログが見れます。複数人でボイチャが可能です。画像の共有が可能です。
男性 / 20代後半(和歌山県)
参加のURLさえ分かれば、会ったことのない知らない人のコミュニティにも入っていけるアプリです。ビデオ通話の通信が軽いです。アイコンがかわいいです。
悪い口コミ
男性 / 30代前半(千葉県)
自動翻訳機能のコードが打ちにくい
ルームに入ったらコメントが自動で出てしまう
招待がないとはじめられない
男性 / 20代後半(大阪府)
LINEのスタンプの様なものがない
写真をスライドで見れない
ボイチャの設定が初見で分かりにくい
男性 / 20代後半(和歌山県)
友達と共通のコミュニティがわかる
操作性がわるい
認知度が低い
Discordはこんな人におすすめ
男性 / 30代前半(千葉県)
ゲーム内のコミュニケーションを取りたい人
海外勢とのやりとりがる人
情報交換を積極的にしたい人
男性 / 20代後半(大阪府)
ゲームで画像共有やボイチャでやり取りが必要な方
LINEを教えたくないSNS上のグループで気軽にやり取りしたい方
仕事で議題管理などをしたい方
男性 / 20代後半(和歌山県)
通信環境が悪い人
チャットアプリの選択肢を増やしたい人
大規模なコミュニティを作りたい人
まとめ
Discordについて、特徴やメリット・デメリット、評判・口コミなどをまとめました。
導入に際し、決め手になりうるメリット・デメリットをまとめると以下のとおりです。
- ビジネスチャットツールと必要な機能がすべて無料
- 広告表示なし&プライバシーが守られる
- 遅延少&音質&ノイズキャンセリング良でストレスが少ない
- ビデオ通話や画面共有ができる
- 複数のチャンネルを作れるので重要連絡を見逃しにくい
- 既読機能がない
- 文章や画像の一括検索機能がない
- カラーや世界観がビジネスツールとして賛否両論
Discordは、広告表示もなく無料でビジネスチャットツールとして必要な機能がすべて揃っているので、気軽に試したり導入できるのが魅力です。
とくに、個別にマイクやスピーカーの音量をコントロールしたり、雑音をシャットダウンできる機能は優秀で、オンラインミーティングでありがちな音に関するストレスが激減します。
メールアドレス一つで始められるので、一度使ってみて決めれば良い、くらいの気持ちで試してみるのがおすすめです。
公式サイト
コメント
コメント一覧 (1件)
実際にdiscord で ネトゲ内のコミュニティを作ろうとしていますが・・・
正直言って、とにかく「使いづらい」ですね。
まず、「マークダウン」にすら、マトモに対応できていない。
さらには、「余計なシステムメッセージ」が多すぎる上、それが消せなかったする。
「用語」が独自すぎる。(サーバーとチャンネルの位置づけが、一段低すぎる)
ファイルの添付位置などが調整できない。
「サーバーの案内ページ」のようなモノが造り難く、まともな基本情報ページすら作れない。
参加するまでの手順が面倒すぎる。(誘った相手が困惑して、参加を見合わせる程に)
などなど・・・
最低限、こんなレベルでは「絶対にビジネスには使えない」と感じましたねぇ。
(仕事柄、親類のようなツールをビジネスで使っていますが、どれもdiscord ほどには不便ではないです)
コレは今後、淘汰されてゆくツールなのかなって思いましたね。
こんなシロモノをビジネスツールとして勧めるのは、如何なものかと・・・
ちなみにあたし的にはゲームコミュニティでは、「レンタル掲示板を使ってコミュニティを構築したほうが、ずっと簡単で美麗に作れる」でした。(前述の参加を見合わせた人物も、レンタル掲示板へはすぐに参加してくれました)