プロジェクト管理ツールといえば「Redmine」「Asana」「Wrike」「Backlog」「JIRA」「Trello」などさまざまあります。
本記事で紹介するBacklogは、バージョン管理はもちろんのこと、Wikiやガントチャート、カンバンなど各種機能を取りそろえています。
システム開発における課題を投稿・共有したり、その課題を誰が担当していていつ完了する(した)のかを把握でき、課題に対してコメントを投稿しあうこともできます。
日本人向けで使いやすいプロジェクト管理ツールなので、その特徴やメリット・デメリット、評判・口コミを紹介していきます。
Backlogの特徴
Backlogは、福岡に本社を置くヌーラボによって開発されたプロジェクト管理ツールです。
日本の会社が作成したサービスだけあり、日本語のUIも親切で、環境構築からふだんの操作まで非常に使いやすくできています。
Gitと簡単に連携することができるため、エンジニア管理ツールとして使用でき、ほかのGit管理ツールと比べてより自由に「Wiki」などのページが作成できます。
リモートワーク中心になる前からエンジニア界隈では利用されていましたが、ここ最近、爆発的に人気が出ています。
グループや会社の垣根を越え、ときには国境を越えてもあたかも同じ室内で仕事をしてるかのように、プロジェクトを管理できます。
サービス名 | Backlog | Microsoft-To-Do | Group Task | Stock | Todoist | チームハック | Taskworld | Trello | Jotto | Notion | Aipo | ClickUp | monday.com | Wrike | Zenhub | Jira | Redmine | Asana |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
規模感 | 個人または小規模のプロジェクト向け | 個人または小規模のプロジェクト向け | 個人または小規模のプロジェクト向け | 個人または小規模のプロジェクト向け | 小規模から中規模プロジェクト向け | 小規模から中規模プロジェクト向け | 小規模から中規模プロジェクト向け | 小規模から中規模プロジェクト向け | 小規模から中規模プロジェクト向け | 小規模から中規模プロジェクト向け | 小規模から中規模プロジェクト向け | 小規模から中規模プロジェクト向け | 小規模から中規模プロジェクト向け | 小規模から中規模プロジェクト向け | 小規模から中規模プロジェクト向け | 小規模から大規模プロジェクト向け | 小規模から大規模プロジェクト向け | 小規模から大規模プロジェクト向け |
価格 | ¥0/¥2,400/¥11,800/¥19,800/¥50,000 | 無料 | ¥0/¥310/8,500 | ¥0/¥1,980/¥3,480/¥6,480 | ¥0/¥338/¥558 | ¥0/¥1,200/¥1,500 | ¥1,050/¥2,300 | 無料(有料プランあり) | ¥0/¥500/¥1,300 | $0/$4/$8/$20 | ¥350/¥400/¥610 | $0/$5/$9 | ¥0/¥900/¥1,100/¥1,800 | $0/$9.80/$24.80 | $0/$7.95/$12.45 | 1ユーザーあたり¥0/¥1,200/¥1,670 | 無料(サーバーの用意が必要) | 1ユーザーあたり¥0/¥1,200/¥2,700 |
機能 | バージョン管理やWikiや、ガントチャート、カンバン等多機能。 | リスト方のタスク管理特化 | リスト方のタスク管理特化 | ドキュメント管理やタスク・メッセージ時機能 | リストやボード表示機能 | ドキュメント管理やタイムトラッキング機能 | カンバンがメイン。チャットツールも搭載 | カンバンがメイン。拡張機能等でガントチャートも可能。 | カンバンやガントチャート | カンバンやガントチャートなど多機能。 | カレンダー機能が非常に便利 | カンバンやガントチャートなど多機能。 | カンバンやガントチャートなど多機能。拡張性も高い。 | チャットや、ガントチャート等多機能。 | スクラム開発特化 | 多機能かつ拡張可能 | 多機能かつ拡張可能 | 多機能かつ拡張可能 |
備考 | 日本の会社のサービス。導入しやすく、また使いやすい。 | Microsoftのサービス。導入しやすく、また使いやすい。 | 月額310円の低コストのタスク管理ツール | Evernoteライクなドキュメント・タスク管理ツール | 導入しやすく、また非常にUIが良く、使いやすい。 | 国産のツールで使いやすい。作業時間の記録も残せる | 基本的な機能はすべてそろっているが、有料 | 無料が利点だが多人数やタスクが多いプロジェクト管理には不向き。 | 国産のツール。UI/UXはGoodpatchが担当 | UIや機能が整理されていて非常に使いやすい。 | 各種社内ツールも充実している | 非常に多機能でこれから日本でも広まる新しいプロジェクト管理ツール | 非常に多機能で拡張性の高いプロジェクト管理ツール | Wikiのように情報をまとめやすく、また情報の表示切り替えも優れている | エンジニアチームに特化したプロジェクト管理ツール。GitHubとの親和性も高い。 | 比較的新しいサービスでUIが独特。ただし、ツールに使い慣れてない人は馴染みにくいのが難点。 | 昔から多くの企業で使われているツールで馴染みやすい。堅実だが環境構築や拡張性、保守など、メンテナンスコスト高め。 | UI機能が非常に優れたサービス。独自の機能を搭載しているが、古いプロジェクト管理ツールに慣れている人には合わない傾向。 |
Backlogのメリット
Backlogのメリットは、プロジェクトメンバーのタスクと進捗状況を一元化して管理できることです。
ひとつずつ分かりやすく解説していきます。
機能に過不足がない
進捗管理に必要な「ガントチャート」はもちろん、アジャイル開発に必要な「カンバンボード」「バーンダウンチャート」の課題管理機能もついています。
また、ドキュメントを残すために「Wiki」や「ファイル共有」の機能もあり、プロジェクトの管理に必要なツールは十二分に揃っています。
日本語メニュー・ヘルプの充実
日本の会社が作成しているサービスなので、機能のメニューからヘルプ、チュートリアルにいたるまで、日本人がもっとも理解できる形で丁寧に説明されています。
海外ソフト特有の無理な翻訳などは一切ありません。
Backlogヘルプセンター管理ツールに苦手意識を持つ人でも分かるUI
ツールに使い慣れてない人に対し、初めて使う人への導線まで整備され、とても分かりやすいUIになっています。
課題の追加から課題の進捗状態の変更、自分の課題の把握など、誰に教わることもなく自発的に分かるようになっています。
分かりやすいUIかつヘルプも充実しているので、操作が分からなくなったりトラブルが起きたときでも、ツールに詳しい人に声を掛けないといけない状況をかなり減らせます。
PCだけでなくアプリ側からの操作も可能
スマホアプリに対応しています。
iOSやAndroidのデバイスからでも、アプリを通して課題の確認や課題の変更などが容易にできます。
プロジェクトの進捗を管理する人にとっては、いつでもアクセスできて状況を把握できるので、アプリ対応は非常に便利です。
マークダウン記法に対応
従来からあるWikiの記法は、サービスによって異なったりするなど学習コストがかかります。
Backlogでは、エンジニアに最も使われていてドキュメントを素早く書ける「マークダウン記法」に対応しています。
外部ソフトとの連携
下記のとおり、別のツールを使った連携機能を多数そなえています。
- SlackやChatworkとチャットツールの連携
- SVNやGitと連携したバージョン管理
- Jira・Redmineからの管理タスクの移行
- Googleスプレッドシートを使った課題登録
- Jenkinsを新しいコードを継続して連携
Backlogのデメリット
日本人向けにプロジェクトの管理ツール初心者でも利用できるBacklogですが、もちろんメリットばかりではありません。
ウィークポイントだと感じられる部分を、デメリットとしていくつかピックアップしました。
有料サービスのため、費用がかかる
無料で使えるフリープランも用意されていますが、課題の作成程度にしか機能が解放されていないので、十二分にBacklogを使用することはできません。
したがって、導入を検討する場合は30日間無料の無料トライアルでBacklogを試すことをおすすめします。
Backlogの料金詳細は以下のとおりです。
プラン | 料金 |
---|---|
スタータープラン | 月2,400円 |
スタンダードプラン | 月11,800円 |
プレミアムプラン | 月19,800円 |
プラチナプラン | 月50,000円 |
別のプロジェクトの管理ツールを使いこなしている人にはなじめない
RedmineやJIRAなど、これまで大規模プロジェクトにも対応できる管理ツールを業務で使いこなしている人は、Backlogになじめない傾向があります。
慣れ親しんだツールを変更すると起きる現象ですが、管理ツール初心者に合わせるか経験者に合わせるかの選択が必要になります。
プラグインなどの独自カスタマイズを追加できない
RedmineやJIRAは、独自仕様に合わせた拡張機能を追加できますが、Backlogは公式機能のみしか使えません。
Backlogは、外部ツールとの連携はかなり充実しているものの、どうしても独自にカスタマイズを入れたい場合にはおすすめできません。
サーバーに障害が起きると閲覧できなくなる
以前AWSの東京リージョンに障害が起きたときに、Backlogもそのサーバーを使っているため、閲覧できなくなりました。
自分でサーバーを建てるRedmineとはちがい、外部で障害が発生すると使えなくなるデメリットがあります。
Backlogの評判・口コミ
当サイトで独自に集計したアンケートから、良い口コミ・悪い口コミを紹介します。
導入時の参考にしてください。
良い口コミ
男性(神奈川県)
大人数でもわかりやすく課題が管理できます。ブラウザで視覚的にわかりやすい操作感をそなえています。マイルストーンや完了期日による予定管理ができます。課題の共有や意志伝達が飛躍的に向上しました。また、課題に対する開発者の認識が高まる結果も出ています。
男性(東京都)
仕事のステップを登録すると、自動でガントチャートができます。誰が何の仕事をしているかが明確なので、PJに参加しているだけで、タスクはやらないタイプの人が浮き彫りになりました。どこまで終わっているか、どこで停滞しているか一目でわかるのも助かります。
女性(東京)
外部連携がラクです。他者へのタスク共有が簡単で、タスクバーのUIも綺麗で見やすいです。今までは、githubで個々人の課題を管理していたのですが、エンジニアライクすぎてカリキュラム管理には向きませんでした。初心者でも活用しやすいUIを採用するBacklogを使用してからは、社員同士で情報共有が進み、社員のカリキュラムの進捗具合が増えたように感じます。
悪い口コミ
男性(神奈川県)
利用者のスキルやモチベーションによっては、全く利用されないことがあります。大人数での使用は有料サービスで月額費用がかかります。インターネットを利用した仕組みなので、オフラインでは使用できません。
男性(東京都)
本格的なプロジェクト管理という点では、MSProjectに劣ります。関係者に「セキュリティが」病の人(年配の上司に多い)がいると利用できないことも。メンバー内にタスクをあまり見る習慣がない人がいると、使用が滞るケースもあります。
女性(東京都)
ページごとの役割がわかりづらいです。情報が目に入りすぎてしまうので、使いこなすまでに時間がかかります。まだマイナーなタスクツールであるからか、インストラクションなどを書いてある日本語の記事が世に少ないです。
Backlogはこんな人におすすめ
男性(神奈川県)
大人数でのシステム開発を行っている組織
さまざまな拠点で開発を行っている人達
外注や海外に仕事を発注して開発をしている企業
男性(東京都)
リモートワークの人
複数人でプロジェクトをする人
会社間・部門間をまたいで仕事をする人
「セキュリティが」病の上司を突破できる自信がある人
女性(東京都)
Gitを活用しているゼミや勉強会に参加してる人
個々のタスク進捗をリーダーのみだけではなく、社員みんなで共有したい人
鮮やかなUIによるタスク管理で、社内コミュニケーションの増加を図りたい人
まとめ
Backlogについて、特徴やメリット・デメリット、評判・口コミなどをまとめました。
導入に際し、決め手になりうるメリットデメリットをまとめると以下のとおりです。
- 機能に過不足がない
- 日本語メニュー・ヘルプの充実
- 管理ツール苦手意識を持つ人でもわかるUI
- PCだけでなくアプリ側からの操作も可能
- マークダウン記法に対応
- 外部ソフトとの連携
- 有料サービスのため、費用がかかる
- 別のプロジェクトの管理ツールを使いこなしている人にはなじめない
- プラグインなどの独自カスタマイズを追加できない
- サーバーに障害が起きると閲覧できなくなる
中規模のプロジェクトかつ、管理ツールに苦手なメンバーもふくまれる状態で、プロジェクトの管理コストを抑えたい方は、ぜひ一度利用することをおすすめします。
公式サイト
https://backlog.com/
こちらの記事では、Backlogふくめ、さまざまなタスク管理ツールを比較していますが、現時点ではBacklogがナンバーワンです。
コメント